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タイの子どもたちに作文大賞を授与

~NPOメンバーリレーコラム vol.3~
イマヌエルオーケストラ日本ツアー作文大賞の誕生秘話

 昨年10月のイマヌエルオーケストラ(以下IO)メンバー来日公演実現のための活動に加わり、同じタイ出身の者として、海外が初めてのメンバーの気持ちになっていろいろ考えてみました。ほとんどのメンバーが10代ということもあり、おそらく渡航先のどこでも何でも、初めての体験・出会いとなるだろうと予想していました。そこで、渡航前にシャイン・フォー・ユー(以下SFY)内で相談し、来日中の日記をつけてもらうことを提案しました。もともとタイの人は記録や日記を書く習慣があまりないので、今回の機会をきっかけに苦境の中で奮闘中のメンバーにも記録・日記の習慣・効用を知ってもらうことを狙っての提案でした。

 SFY理事会メンバーからも「いいね!」の賛同をいただき、提案は採用されました。IOメンバーにはその目的と意味合いを説明し、渡航中の日課として伝え、全員に日記になる手帳等を用意するよう依頼しました。「飴と鞭」ではないのですが、書かない場合も想定しつつ、書いてくれたメンバーには内容を精査して賞(金)を設けることも伝えたのです。自分のメモ・記録のみならず、第三者にも伝わるよう、気合を入れてもらいたい気持ちからでした。自分としては賞金をお渡しし、本や楽譜等に使ってもらえたらなと思っていました。

 

 予想通り、来日中IOメンバーは行く先々で毎日のいろいろなイベントや出会いで大変貴重な体験・交流ができました。日記を書き忘れるくらい多忙で疲れる中でも、忘れないよう加古川SFY理事長や通訳で同行した加古川さんのお嬢さんのユキさんが毎日毎晩催促してくれたおかげで、ほぼ全員が日記をノートにつけたり、携帯電話の中のメモ帳で記録したりしてくれました。

タイ語か英語の内容になりますが、簡単な日本語訳も付けましたので、近日中に是非皆さまにもご覧いただきたいと思っております。子供たちの気持ちが大変よくわかる・見える内容となっています。


 

 おそらく日記を書くのは初めての子供たちがほとんどですが、若者らしく、心の内面、多幸感、感動や失敗談、将来への希望・志を述べる 等を感じ取ることができ、ある意味で日本ツアー実現の大きな意義が達成されていることを感じ、日記企画を提案して実現できたことが本当に良かったなと思いました。

 

 タイに帰国後、全員から日記を提出してもらい、SFYメンバーで読み合わせして最優秀賞、優秀賞、(残り全員に)参加賞を決めました。その結果は、今年1月、バンコクでの日本ツアーの振り返り食事会の中で、IOメンバーに発表し、本企画は無事完了となりました。

 

 苦境の中で音楽と出会い、各自の努力と成果が実り、多くの皆さまのご支援でタイ国内外での公演を実現できたことは、本人達にとっても、私どもにとっても大変素晴らしい経験だったと、あらためて実感しています。「音楽を通じて」苦境から未来を切り開く活動の大きな意義を感じております。今後とも皆さまと力を合わせ、「音楽で」未来を切り開くことを世界各地で実現できたらと思います。

 

 私個人のことになりますが、40年以上前、5人兄弟の経済状況がとても厳しい家庭の中、学校・先生・寄付してもらった教科書・週末のお寺での無料塾等のお陰で、日本の奨学金で来日ができました。今日があるのも、正に苦境の中の「努力」と「機会」が得られたことのお陰です。現在の自分も大変微力ですが、恩返しとして苦境にある「次世代」の支援を心掛けて参りたいと思います。

 

今後とも皆さまのご支援と 共に行動することを是非願っております。



(コラム執筆:NPO法人シャイン・フォー・ユー副理事長リッターポン・イッティ)





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